10月25日(月) 3日目10月25日(月) 地震から3日目朝、外を飛ぶヘリコプターの音で目が覚めた。沢山のヘリコプターが飛んでいる テレビを付けると(部屋の真ん中までぶっ飛んだテレビだが壊れてはいなかった) 『報道ヘリ』からの画像。(あのヘリが撮ってる画像なんだ・・) なんだかヘンな気分・・・などと考えてる場合じゃない、出勤せねばっ! 機械類も心配だし、患者さんの状況も予想が付かないし、早めに行かなきゃ・・・ いつもよりかなり早く着き、電気が大丈夫なので機械類を立ち上げてみる 普段いかに電気に頼った暮らし(仕事)をしてるのか思い知る 計算したり薬袋や色々な帳票類を出すプリンター、薬を計る道具も電気だし 粉薬を包装する器械も電気・・・ すべて立ち上げてテストしてみる 無事動くようだ 職員は出勤出来るだろうか?小さな子供さんをかかえた人達もいるし・・・ 不安に思いつつお湯を沸かし朝の準備(薬局はプロパンガスです~) やはり、出勤出来ないと連絡が来る人あり 一人『栃尾』と言って長岡から山一つ越えた町から通勤の職員がいて 彼女は当分無理だろう・・・(道路が寸断) いつもより少ないスタッフだが、皆口々に 『怖かったね!』『家、大丈夫?子供は?』『家は電気もガスも水道もダメで・・・』等々語りあう。 私のアパートや薬局付近は相変わらずガスがダメなだけだが 職員の中には『全てダメで昨夜は車で寝た』と言う人も 昨日もう一つの薬局で調剤していた職員は当分そっちにかかり切りとなる事になった そちらの診療所の混乱が続いており、猫の手も借りたい状況との事にて・・・ よってこっちは常勤薬剤師は私一人。あとは事務職員常勤一人とパート一人。 なんとかこのメンバーで頑張ろう・・・と思う となりの診療所で、先生のお話が有ると言うので行く 『出勤出来ない職員も居るし、器械も不安だが、ともかく診療する 併設のデイサービスは行わない いったん落ちてしまったものは再び落ちるといけないからその辺に転がしておけ 皆、いつでも避難できる格好で、大きな余震が来たら患者さん優先で自分も逃げる事・・・』等々の注意を受ける 診療がはじまると、いつもの患者さん達がぽつぽつと来る 『すごかったね~薬局は大丈夫だったかね?』 『血圧の薬が無くなるからさ~』等々 すでに地震の影響で体調をくずした患者さんも来はじめた 『ずっと外で震えていて風邪引いた』とか『あんまり怖くて血圧が上がった』 等々訴える患者さん達もちらほら また、診療所の先生は午前の診療が終わると在宅患者さん宅や近くの避難所へ 私たちもそれに伴い発生する処方に対応する 在宅患者さんに関しては薬局も寝たきり患者さん宅へ薬剤訪問しており 早速訪問しはじめた 基本的に寝たきりの患者さんをかかえたお家では 『爺さんがこれだっけね~避難もなにもここにこのまま居るしか無いわね~ 私ら戦争を体験したもんにはどうって事ない。空襲の方が怖かったわ~』とか ご本人が『いやいやばあさんは俺をほうって庭へ出たんさね~(笑)』など お年を召した患者さんやご家族のウィットに富んだ会話にこちらが癒されます しかし、中には避難されてる方もいらして薬をもって訪問してみると不在 昼間は長く薬局を空けられないので、夜になると付近の避難所を探し歩いたり 『○○中学に避難してる』と情報をもらい行ったり なんだか薬剤師って言うより配達係・・・ でも、それぞれの患者さんの状況を考えると『インスリン』やら『経管栄養』 また喘息の患者さんの『吸入』などなど絶対に切らす事の出来ない薬ばかり 普段こちらできっちり管理している分『○○さんの薬、今日で無くなる!』 と判るので、ひたすら届け続けました・・・ <今日のお食事> 多分朝は電子レンジで沸かしたお湯でインスタントスープ 昼は支援物資のおにぎりとかだった様な気がする・・・ 夜も電子レンジで沸かしたお湯でインスタントスープ だった思う(全然違うかも~『多分』だの『思う』ばっかし~) -続く- |